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2012年05月09日 石山寺縁起絵巻を読む(門の下の巫女) [石山寺縁起絵巻]

2012年05月09日 石山寺縁起絵巻を読む(門の下の巫女)

5月9日(水)  曇りのち雨 東京 22.4度  湿度63%(15時)

8時、起床。
朝食は、ソーセージパンとコーヒー。
シャワーを浴びて、髪にあんこを入れて頭頂部で結んでシュシュを巻く。

化粧と身支度。
紺地に紫の大きな花柄のカシュクールのチュニック、裾にラインストーンが入った黒のレギンス(6分)、黒網のストッキング、黒のショートブーツ、黒のトートバッグ。

9時40分、家を出る。
途中、コンビニで講義資料のコピー。

10時半、自由が丘で講義。
『石山寺縁起絵巻』(近江・石山寺の由来と歴史を描いた鎌倉時代末期の絵巻物)の解読。
前回に続いて巻5第1段の絵解き。

天治年間(1124~25 崇徳天皇代、鳥羽院政期)、式部少輔藤原国親(北家真夏流)の妻が石山寺に参籠して、夢中に示現した観世音菩薩から「利生宝珠」を授かった翌朝の場面。

石山寺を後にする国親の妻の一行。
石山5-1-6.JPG
観世音菩薩から授かった「利生宝珠」を捧げた国親の妻を先頭に2人の侍女と従者(男)が従う。
石山5-1-7.JPG
「利生宝珠」は大きめのリンゴくらいの大きさか。
国親の妻は、濃暗紫の掛け帯をかけた薄暗紫の袿(うちき)を紐でからげてたくし上げ、足元は白い脚絆に草履、市女笠をかぶった旅装束。
薄い黄色に赤と緑の格子柄の袿に赤い掛け帯をかけた侍女は、主人と同様に袿を紐でからげてたくし上げ、脚絆、草履、市女笠の旅装束。
しかし、赤い衣を被いでいる侍女は、緑の衣の裾をたくし上げず、左手で褄を取って歩いている。
裾の後ろ側は地面を履いている。
従者の男は三つ鱗の柄の赤褐色の衣の上下に藍色の脚絆、左に腰刀を差している。
右腰の籠状のものは魚籠(びく)か?

一行の行く手に石山寺の門。
八脚門だが、内側(境内側)の左右にも像がまつられているので、仁王門ではなく四天王門と思われる。
石山5-1-8.JPG
おや? 門の下に人がいる。
拡大してみると・・・。
石山5-1-9.JPG
市女笠を深々と被り、樺色に華麗な花模様の袿を着た女性?が門の通路に座っている。
鹿皮の敷物の上に座り、大きな鼓を膝に乗せて、右手で叩いている。
巫女だろうか?

「女性?」と書いたのは手がやけに大きいのが気になるから。
女装した男性巫人(ぢしゃ=持者)の可能性も皆無ではないので。

このような寺の門の下にいる巫女?の類例は、ほぼ同時代の『天狗草紙絵巻』(永仁4年=1296)の東寺の場面に見える。
(カラー図版が手元に無いので『日本常民生活絵引』から)
石山5-1-18.JPG
こちらは門の間口に外を向いて鼓を持った巫女?が座り、周囲に3人の男がいる。
男たちの様子は、巫女?が鼓に合わせて語る(あるいは唄う)物語を聴いているように見える。
石山5-1-19.JPG
中世社会の女性宗教者&芸能者である巫女の実態については、わからない部分が多い。
私は、そうした人たちの中に、女装の男性巫人が混じっていると推測しているので、どうしても興味を引かれてしまう。

12時、終了。

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