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2012年04月11日 石山寺縁起絵巻を読む(観世音菩薩から利生宝珠を授かる) [石山寺縁起絵巻]

2012年04月11日 石山寺縁起絵巻を読む(観世音菩薩から利生宝珠を授かる)
4月11日(水)  曇り  東京 18.3度  湿度64%(15時)

8時20分、起床。
朝食は、ソーセージパンとコーヒー。
シャワーを浴びて、髪にあんこを入れて頭頂部で結んでシュシュを巻く。

化粧と身支度。
黒地に紫・群青・水色・茶色の大小の長楕円がたくさんある変な柄のロング・チュニック(長袖)、黒のブーツカットパンツ、黒網の膝下ストッキング、黒のショートブーツ、黒のトートバッグ。
黒のカシミアのショールを羽織る。

9時40分、家を出る。
途中、コンビニで講義資料のコピー。

10時半、自由が丘で講義。
『石山寺縁起絵巻』(近江・石山寺の由来と歴史を描いた鎌倉時代末期の絵巻物)の解読。
前回、詞書を読んだ巻5第1段の絵解き。
天治年間(1124~25 崇徳天皇代、鳥羽院政期)、式部少輔藤原国親(北家真夏流)の妻が石山寺に参籠して、夢中に示現した観世音菩薩から「利生宝珠」を授かる場面。
石山5-1-1.JPG
石山寺の観音堂。赤い格子の奥(左)が観世音菩薩が奉られている本堂。
人々が参籠している礼堂は広い板敷。
須弥壇の正面、吊り灯籠の明かりの下、浜松を描いた屏風を二方に巡らして藤原国親の妻の座としている。
侍女二人が付き添っている。
後方には、畳を置いて、老人や僧が参籠している。
石山5-1-2.JPG妻は、石山寺に参籠して七日七夜、三千三百三十三度、必死の思いで祈った末、疲労困憊して臥している。
すると、夢中に如意輪観世音菩薩が示現して、不思議な色の珠を渡される。
石山5-1-3.JPG
左手の乗せた「利生宝珠」を差し出す観世音菩薩。
菩薩の姿としては『石山寺縁起絵巻』では巻5にして初登場。
今までは、示現しても、すべて黒衣の老僧の姿だった。
石山寺の本尊は二臂の如意輪観音だが、それを示す特徴は見られない。
「利生宝珠」も詞書では不思議な色ということになっているが、普通に金色で表現されている。
石山5-1-4.JPG
女は、左手に数珠を持ち疲労で倒れ伏したまま、顔を横向きにしてうつ伏せで眠っている。
長く豊かな髪が右腕の下の敷きこまれている。
背中の濃い紫のラインは襷。
襷を掛けることは、この時代、女性が神仏の詣で祈るときの形であったらしい。
浜松の風景を描いた大和絵の見事な屏風は、寺の備品で貸し出されたものか? 
それとも参籠者が持ちこむものなのか?
石山5-1-5.JPG
格子柄の着物の侍女は、頬肘をついて、横向きで眠っている。
もう一人、若い侍女は、起きて座っているが、観音の出現には気づいていない。

観世音菩薩は、古来から女性の信仰を集めたが、とくに洛東の清水寺、近江の石山寺、そしてやや遠くなるが大和の長谷寺は、貴族の女性もしばしば参籠した。
この場面は、そうした貴族女性の観音信仰の典型的な姿を描いている。

12時、終了。


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